そろばんと聞くと、足し算や引き算の練習というイメージを持つ方も多いかもしれません。
しかし実は、そろばんを使えば掛け算や割り算といったより高度な計算もスムーズにこなせるのです。足し算・引き算でそろばんの操作に慣れたら、ぜひ掛け算にも挑戦してみましょう。ここでは、そろばんを使った掛け算の基本的な方法や練習のコツ、効果的なサポート法などを詳しく解説します。
そろばんで掛け算を学ぶメリット
暗算力や計算スピードが飛躍的にアップ
そろばんで掛け算を習得すると、頭の中で珠の動きをイメージする「暗算力」がさらに磨かれます。複数桁の掛け算でも、紙や電卓に頼らず素早く正確に答えを出せるようになる点が大きな魅力です。
論理的思考の基礎を育てる
掛け算は足し算や引き算に比べて段階的な手順が増えます。
そろばん独自の桁の移動や繰り上がりなどを理解することで、論理的な思考力や数の概念がより深まるといわれています。
学校の算数との相乗効果
学校で掛け算を習う時期(小学校2〜3年生)と合わせてそろばんを活用すると、教科書の内容がよりわかりやすくなり、テストの計算ミスが減るなどの効果が期待できます。
そろばん掛け算の基本的なやり方
ステップ1:足し算・引き算のマスター
まずは足し算や引き算の操作に十分慣れておくことが肝心です。そろばんの指使いや、5珠・1珠の動きを正確に理解していると、掛け算の学習もスムーズになります。
ステップ2:「九九」を唱えながら掛け算する
そろばんの掛け算では、よく九九の暗唱が活用されます。
- まずは「ににんがし、にさんがろく……」というようにリズミカルに唱えて、掛け算の基本を身につける
- その後、「2×3」をそろばんの上で再現してみる(2の珠を3回足してみる)
- 「2×3=6」のように、珠を動かしながら実感を伴って覚えていく
このように、指と口、耳を同時に使うことで記憶の定着率が高まるのが大きな特徴です。
ステップ3:桁移動と繰り上がりをマスター
二桁の乗数になると、桁移動を行いながら部分的に掛け算を進め、最後に合算する手順が必要です。
- 例:12 × 34
- 12 × 4で部分的に計算
- 12 × 30(= 12 × 3に桁移動して10倍)で部分的に計算
- それぞれの結果を合算
- 最終的に答えをそろばん上に出す
この一連の流れを何度も練習し、桁移動や繰り上がりの処理に慣れてくると、計算スピードがどんどん向上します。
ステップ4:イメージ暗算へ発展
最終的には、頭の中でそろばんを操作する「イメージ暗算」へと進めます。そろばんがなくても、掛け算の手順を瞬時に思い起こし、答えを導き出せるようになるのがゴールです。
効率的に上達する練習方法
繰り返し同じ形式の問題を解く
掛け算の操作に慣れるまでは、同じパターンの計算を何度も解き、指の動きを体に覚えさせるのが近道です。
- 1桁 × 1桁で基本動作を固める
- 徐々に桁数を増やして難易度を上げる
飽きないように、タイマーを使ってスピードを競うなど、ゲーム的な要素を加えるのもおすすめです。
かけ算九九の理解とリンクさせる
小学校で習う「かけ算九九」とそろばんの学習を同時に進めると、数字の関係を二重で理解できるため効果的です。
- そろばんで計算した結果を九九と照らし合わせる
- わからない九九が出たら、そろばんで確かめる
九九が苦手な子どもでも、そろばんを使いながらなら理解しやすいと感じる場合があります。
家庭学習で短時間練習
集中力の続く時間は子どもによって異なりますが、1日15分〜30分程度の短時間練習でも十分な効果があります。保護者が声をかけてあげるだけでも、子どものやる気はぐっと上がります。
家庭でのサポート法
ポジティブな声かけ
「速くなったね」「ミスが減ったね」という具体的な褒め言葉は子どもの自信を育み、学習意欲を高めます。成長が目に見える形で伝わるように、結果をノートに書いて比較するのも良いでしょう。
問題集やアプリの活用
掛け算専用のそろばん問題集やオンライン教材も充実しています。ゲーム感覚で取り組めるものも多いため、楽しみながら反復練習が可能です。
検定や大会への挑戦
そろばんには級や段の制度があります。目標を設定して挑戦することで、子どものモチベーションが一気に高まるケースが少なくありません。
そろばん教室を選ぶ際のポイント
指導スタイルとペース
掛け算を含めた計算全般に力を入れる教室と、検定取得を最優先する教室など、指導スタイルはさまざまです。子どもの性格や習熟度に合った教室を選びましょう。
通いやすさと時間帯
教室に通う頻度は週2〜3回が一般的です。自宅や学校からの距離や、保護者の送迎のしやすさを考え、続けやすい環境を選ぶことが重要です。もし、週2~3回の練習時間の確保が難しいようであれば、オンライン教室やアプリなどの選択肢があると良いでしょう。
体験レッスンで雰囲気を確認
必ず体験レッスンに参加し、講師の説明が分かりやすいか、子どもが楽しめそうかなどをチェックしましょう。掛け算を教えるタイミングや進め方についても相談しておくと安心です。
まとめ
そろばんは足し算や引き算だけでなく、掛け算にも大いに役立つ優れた計算道具です。
掛け算を通じて指先の動きと脳内イメージを結びつけると、暗算力が飛躍的に高まり、算数への苦手意識を克服できる子どももたくさんいます。
- 足し算・引き算をマスターしてから掛け算に進む
- 桁移動や繰り上がりといったそろばん特有の操作に慣れる
- 繰り返し練習でスピードと正確性を向上させる
- 家庭でのサポートや検定挑戦でモチベーションを維持
本格的に掛け算に取り組むには、子どものペースや興味に合わせたステップが重要です。ぜひ、そろばんを活用した掛け算学習を取り入れ、子どもの計算力を一段と伸ばしてみてください。


