そろばんの掛け算のやり方とは?両置き・片落とし・両落としの弾き方を解説!

そろばん

そろばんを続けていると、「掛け算のスピードが上がらないな」「早く解けるけれど、ミスが多い」と、掛け算のやり方が合っているのか悩む瞬間はありませんか?。

実は、そろばんの掛け算のやり方は1つではありません。「両置き」「片落とし」「両落とし」の3つの置き方に加え、掛ける方向の違いまで含めると12種類以上もの方法があります。

また、どの手法で指導するかは、修得のしやすさ・間違いにくさ・競技会向けなど、何に重きを置くかで教室や会派によって異なります。

本記事では、そろばんの掛け算の弾き方3種類と計算方向4種類を整理しながら、目的に合った練習方法とおすすめの型を紹介します。

今のやり方を確認したい方、検定や競技でスキルアップを目指すために弾き方を見直したい方は、ぜひ参考にしてください。

【用語解説】
実(じつ):掛けられる数
・法(ほう):掛ける数
・定位点:計算結果を置き始める位置(実の右側)
・位取り:桁の位置を正しく把握すること

そろばんの掛け算|3つの「弾き方」

そろばんの掛け算の弾き方は、掛けられる数(実)と掛ける数(法)の置き方により、「両置き」「片落とし」「両落とし」の3種類に分けられます。

3つの弾き方の違い一覧は以下のとおりです。

【3つの弾き方の違い一覧】

項目両置き片落とし両落とし
実」の置き方○ 置く○ 置く× 置かない
法」の置き方○ 置く× 置かない× 置かない
工数多い中程度少ない
スピード遅い中程度速い
正確性高い中程度低め
習得期間短い中程度長い
視線移動少ない中程度多い
推奨レベル初心者中級者上級者

例に「12×34」を挙げ、3つの弾き方の特徴を詳しく見ていきましょう。

両置き|実・法の両方を置く

「両置き」は、掛けられる数(実)と掛ける数(法)の両方をそろばんに置いてから計算する方法です。

問題:12×34
そろばん:34__12 ※__:2つの数字は離して弾く

両置きの特徴は以下のとおりです。

  • そろばん上で数字が完結するため、視線移動が少ない
  • 位取りの確認がしやすく、読み間違いによるミスが少ない
  • 他の弾き方に比べ、修得にかかる時間が比較的短い
  • 実と法の両方をそろばんに置くため、他の弾き方に比べ工数が多くなり、スピードは劣る

手順が明確で型として覚えやすいため、特に、そろばんを始めたばかりの初心者にとって扱いやすい方法です。視線移動が少なく、そろばん上の数字に集中できるため、正確性を重視したい方にもおすすめです。

特にオンライン学習や検定の際には、問題を見る回数を最小限に抑えられるメリットがあります。

両落とし|実・法のいずれも置かない

「両落とし」とは、掛けられる数(実)と掛ける数(法)の両方をそろばんに置かず、暗算で処理しながら計算する方法です。

問題:12×34
そろばん:置かない

両落としの特徴は以下のとおりです。

  • 数字を置く工程がなく、最もスピードが出しやすい
  • 暗算ベースで進むため、暗算力・集中力の向上につながる
  • 数字を都度確認する必要があり、視線移動が多くなりやすい
  • 位取りや数の読み違いで、ミスが起きやすい
  • 他の弾き方に比べ、修得にかかる時間は長め

両置きに比べて暗算処理の負荷が高く、正確な位取りができるよう練習が欠かせません。スピードを重視する競技や段位合格を目標とする、上級者におすすめの弾き方です。

片落とし|実のみ、そろばんに置く

「片落とし」は、掛けられる数(実)のみをそろばんに置く弾き方です。工数や難易度は両置きと両落としの中間に位置し、正確さやスピードのバランスが良い中級者向けの方法です。

問題:12×34
そろばん:12

片落としの特徴は以下のとおりです。

  • 両置きよりスピードが出やすく、実用性が高い
  • 両落としへの移行ステップとして適している
  • 掛ける数を常に暗算で処理するため、集中力が求められる
  • 修得にはある程度のそろばん経験が必要

両置きから両落としへの移行ステップとして、正確性やスピードを上げたい方におすすめです。

初心者は、まず両置きで正確に弾けるよう練習しましょう。慣れてきたら、徐々に片落としや両落としへとステップアップしていくのが一般的です。

そろばんの掛け算|4つの「計算方向」

計算の正確性やスピードは、数字の置き方(弾き方)だけでなく、計算する方向(やり方)も関係します。

計算方向とは「どちらの桁から掛けるか」、つまり、掛けられる数(実)と掛ける数(法)をどの方向から処理していくかを指します。

4つの計算方向の一覧は以下のとおりです。

実の方向法の方向推奨レベル
両右初心型右→左右→左初心者
両左上級型左→右左→右上級者
右左バランス型右→左左→右全レベル
左右マイナー型左→右右→左非推奨

※型式名称は、解説しやすいよう便宜的に命名しています。

それぞれの特徴を、具体例とあわせて確認しましょう。

両右初心型

両右初心型とは、掛けられる数(実)・掛ける数(法)の両方を右側から計算していく方法です。最も教えやすく、検定や初級学習で広く使われています。

例:12×34 の場合
①4×2 → ②4×1 → ③3×2 → ④3×1

計算の流れがシンプルで位取りも比較的わかりやすく、特に、桁数が少ない問題に向いています。初心者や検定合格を目指す方におすすめの計算方向です。

両左上級型

両左上級型とは、掛けられる数(実)・掛ける数(法)の両方を左側から計算していく方法です。概数(全体の大きさ)を把握しやすく、上級者向けの計算方向です。

例:12×34 の場合
①1×3 → ②1×4 → ③2×3 → ④2×4

大きな桁から計算を始めるため、位取りが安定しやすく、暗算にも適した進め方です。習得には時間がかかりますが、慣れれば正確さとスピードを両立できるため、競技会や段位取得を目指す上級者に適しています。

右左バランス型

右左バランス型とは、掛けられる数(実)を右側から、掛ける数(法)を左側から計算する方法です。位取りがしやすく、スピードと正確性のバランスが取れた方向です。

例:12×34 の場合
①3×2 → ②3×1 → ③4×2 → ④4×1

両置きや片落としとの相性も良く、検定・競技どちらにも対応できる柔軟な型として、多くの教室で採用されています。

左右マイナー型(非推奨)

左右マイナー型とは、掛けられる数(実)を左側から、掛ける数(法)を右側から計算する方法で、特殊かつあまり行われない型です。

例:12×34 の場合
①4×1 → ②4×2 → ③3×1 → ④3×2

 暗算しにくく、実用性が低いため、基本的には推奨されません。他の型で十分に対応できるため、選択する必要はほとんどない方向です。

そろばんの掛け算のやり方

ここまで、3つの弾き方と4つの計算方向を個別に解説しましたが、「結局、どう組み合わせて使えばいいの?」と思った方もいるでしょう。

この章では、これまでに解説した「3つの弾き方」と「4つの進め方」の代表的な組み合わせで行う、そろばんの掛け算のやり方を簡単に説明します。

両置き×右左バランス型

そろばんに2つの数字を置き、掛けられる数(実)の右端の数字と、掛ける数(法)の左端の数字を計算していきます。

手順は以下のとおりです。

【両置き×右左バランス型のやり方

  1. 掛けられる数(実)をそろばんの右側に置く
  2. 掛ける数(法)をそろばんの左側に置く
問題用紙:12×34
そろばん:34__12 ※__:2つの数字は離して弾く
  1. 掛けられる数(実)の右端の数字と、掛ける数(法)の左端の数字から順番に(2桁以上の場合も全て)計算をする。
  2. 続けて、計算結果を掛けられる数(実)の右側の定位点(*)に置く。
そろばん:34__12*

そろばん:34__1268
  1. 掛けられる数(実)の右端の数字を0に戻す。
そろばん:34__1068
  1. 残った掛けられる数(実)の右端の数字と、 掛ける数(法)の左端の数字から順番に(2桁以上の場合も全て)計算をする。

(計算結果を先ほど置いた数字の位取りを調整しながら加えていく。)

そろばん:34__1408
  1. 残った掛けられる数(実)の右端の数字を0に戻す。
そろばん:34__0408
  1. 以降、掛けられる数(実)がなくなるまで計算を繰り返す。
答え:408

両落とし×両左上級型

数字をそろばんに置かず、問題用紙の数字のそれぞれ左側から計算していく方法です。

手順は以下のとおりです。

【両落とし×両左上級型のやり方】

  1. 掛けられる数(実)も掛ける数(法)もそろばんに置かない。
問題用紙:12×34
そろばん:置かない
  1. 問題を見ながら、掛けられる数(実)の左端の数字と、掛ける数(法)の左端の数字から順番に(2桁以上の場合も全て)計算をする。
  2. 続けて、計算結果を位取りに注意しながら順番に置く(左から右側へ数字を置く)
計算:1×3→1×4
そろばん:34
  1. 問題を見ながら、掛けられる数(実)の左端から2番目の数字と、掛ける数(法)の左端の数字から順番に(2桁以上の場合も全て)計算をする。
  2. 計算結果を位取りに注意しながら順番に置く(左から右側へ数字を置く)
計算:2×3→2×4
↓先に置いた34を基準に、68を位取りに注意して置く
そろばん:408
  1. 以降、掛けられる数(実)がなくなるまで計算を繰り返す。
答え:408

片落とし×右左バランス型

掛けられる数(実)をそろばんの右側に置き、掛けられる数(実)の右端の数字と、掛ける数(法)の左端の数字を計算していきます。

手順は以下のとおりです。

【片落とし×右左バランス型のやり方

  1. 掛けられる数(実)をそろばんの右側に置く( 掛ける数(法)は置かない)。
問題用紙:12×34
そろばん:12
  1. 掛けられる数(実)の右端の数字と、掛ける数(法)の左端の数字から順番に(2桁以上の場合も全て)計算をする。
  2. 続けて、計算結果を掛けられる数(実)の右側の定位点に置く。
  3. 掛けられる数(実)の右端の数字を0に戻す。
そろばん:1068
  1. 残った掛けられる数(実)の右端の数字と、 掛ける数(法)の左端の数字から順番に(2桁以上の場合も全て)計算をする。(計算結果を先ほど置いた数字の位取りを調整しながら加えていく。)
  2. 残った掛けられる数(実)の右端の数字を0に戻す。
そろばん:408
  1. 以降、掛けられる数(実)がなくなるまで計算を繰り返す。
答え:408

それぞれの方法には一長一短があり、どれが「正解」ということはありません。習熟度、目標、練習環境に合わせて選択することが大切です。

「よみかきそろばんくらぶ」が採用する掛け算のやり方

ここまで3つの代表的なやり方を紹介しましたが、「結局、どれを選べばいいの?」と迷っている方も多いでしょう。

オンラインそろばん教室「よみかきそろばんくらぶ」では、普段習い事が多い生徒のために【両置き右左バランス型】を採用しています。

  • 修得までの時間が比較的短い
  • 位取りの間違いが少なく、正確性が高い
  • 慣れてくるとスピードも出せる

段位取得や検定合格を目指すのであれば、極端なスピード重視や高度な暗算技術にこだわる必要はありません。まずは正確に、そして着実に力をつけることが、長期的な上達につながると考えています。

一方、上級(3級以上)や競技会で上位入賞を目指すためスピードや暗算力を磨きたい方は、【両落とし両左上級型】への挑戦もサポートしています。ただし、この方法は習得に時間がかかるため、週3~4回の通学、もしくは毎日最低1回(可能ならば月100回)の練習時間を確保できる方に限ります。

なお、他の教室で既に身につけた弾き方や型がある場合は、そのまま継続して指導いたしますのでご安心ください。

まとめ:自分に合ったそろばんの掛け算のやり方を身につけて目標を達成しよう

今回は、そろばんの掛け算のやり方を「置き方」と「進め方」に分けて整理し、さらに代表的な組み合わせで行う計算手順をわかりやすく解説しました。

掛け算には複数のやり方がありますが、もっとも大切なのは、今の自分のレベルや目標に合わせて、正しく・確実に弾ける方法を身につけることです。初心者であれば正確性を重視した方法から始め、慣れてきたら目標に応じてステップアップしていくと良いでしょう。

そして、やり方を身につけるには、正しい指導と安定した練習環境が欠かせません。

よみかきそろばんくらぶ」では、講師が画面越しでも一人ひとりの指の動きを細かくチェックし、対面と同じように丁寧に指導します。

さらに、生徒専用マイページ「おけいこログ」を使えば、教材・動画の視聴は無制限。本番形式の検定練習も毎回異なる問題で行えるため、自宅でもしっかり力を伸ばせます。

まずは無料体験レッスンで、あなたの掛け算の弾き方をチェックしてみませんか?

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