そろばんは日本古来の計算道具で、指先と頭を同時に使うことで計算力や暗算力、集中力を養える学習方法です。
そろばん検定に合格すると、子どもの自信につながるだけでなく、学校の勉強や日常生活にも役立つ計算力をしっかり身につけられるのが大きなメリットです。
ここでは、そろばん検定の概要やメリット、合格を目指す練習法などを2025年最新版の情報をもとにわかりやすく解説します。そろばん検定に興味がある保護者の方はもちろん、「子どもにどんな学習効果があるの?」と気になっている方も、ぜひ参考にしてみてください。
そろばん検定とは
そろばん検定は、団体が主催する試験で、一定の基準を満たせば合格として認定されます。合否がはっきり出るため、子どもにとって学習のモチベーションになりやすいのが特徴です。最近では検定開催日以外にもオンライン形式の受検が可能になったりと、受検機会も増えています。
- 主催団体:各地域の珠算協会など
- 主な試験内容:加算・減算・掛算・割算など、段階的に難易度が上がる
- 合格基準:点数や制限時間内の正答率によって判定
検定では段や級といった区分が設けられており、上級になるほどスピードと正確性が要求されます。合格すれば「〇級合格」「段位取得」などの肩書きを得られるため、子どもが大きな達成感を得られるのも魅力です。
そろばん検定を受けるメリット
学習意欲が高まる
検定という明確な目標があることで、子どもがやる気を維持しやすくなります。
「次は〇級に合格したい」「もっと速く正確に計算したい」という気持ちが生まれ、日々の練習にも熱心に取り組むようになります。
計算力・暗算力の強化
そろばん検定で求められるのは、素早く正確に答えを導く力です。上の級に挑戦するにつれて、暗算力や集中力がさらに磨かれていきます。検定対策で覚えたテクニックや手順は、学校の算数・数学でも大いに役立ちます。
自信や達成感を得られる
級や段といった分かりやすい目標があるため、合格したときの達成感は格別です。頑張った成果が数値として表れることにより、子どもの自己肯定感が高まり、次のステップへ向かう意欲が湧きやすくなります。
集中力・忍耐力が身につく
そろばん検定の問題は、一定の制限時間内に多くの計算をこなします。限られた時間で結果を出すために集中する習慣や、反復練習を続ける忍耐力が養われます。これらの力は、他の学習や日常生活にも良い影響をもたらします。
検定の級や段の種類
そろばん検定では、一般的に初級(10級〜1級)から段位へと進む仕組みが多く採用されています。段位以上になると難易度が高く、計算スピードと正確性が求められます。主な区分は以下のとおりです。
- 幼児5級~幼児1級、14級〜10級:初級レベル
14級までが珠を弾く指の動かし方のお稽古です。親指と人差し指の使い方を間違えないように覚えます。11~13級でおよそ200通りの運珠(そろばん特有の珠の使い方)を学びます。※運珠例:足せない4は1とって5をいれる。 - 9級〜4級:中級レベル
4級までは掛け算・割り算も含む総合的な計算力を身につけます。大還元算とよばれる割る数が3桁の問題で引きすぎた分を戻す、そろばん特有の計算方法などを学びます。 - 3級~1級、段位:上級レベル
段位では1段、2段…と難易度が上がり、初めて平方根、立方根が出題されます。段位を取得できると大きなステータスになるため、子どものモチベーションアップに繋がります。一般的に3級以上で履歴書や内申点に加点されます。
検定によってはそれぞれの級・段で必要な点数や制限時間が異なる場合があるため、実際の受検前に主催団体の情報を確認しておきましょう。
そろばん検定合格のための練習法
基礎固めが最優先
初級のうちに基礎を徹底して習得しておくことで、後の級や段にスムーズに進めます。
特に4歳〜小学生の子どもの場合、指先の動きや数の概念を感覚的に理解する時期でもあります。
- 指使いをしっかり覚える:親指・人差し指・中指を正しく使う
- 補数計算(5の補数、10の補数など)を理解して反復練習
- 数字と珠の動きを連動させ、暗算に近い感覚で計算できるようになる
段階的な目標設定
子どもは小さな達成感を積み重ねることで、やる気を維持しやすくなります。大きな目標を一気に目指すのではなく、次の級を狙う、さらに次の検定でスピードを上げる、といったステップごとの目標を設定してあげましょう。
- 「1日◯問を目安に練習する」
- 「来月の検定で◯級に合格する」
- 「計算スピードを10%アップさせる」
目標を明確にすることで、子ども自身もやるべきことをイメージしやすくなり、計画的に学習を進めやすくなります。
集中練習とタイム計測
検定には制限時間があるため、いくら正確でも時間内に解ききれなければ合格は難しいです。普段の練習でもタイマーを使って計測するなど、時間を意識した練習を取り入れましょう。
- 練習の最初に5〜10分程度の集中練習
数字や頭が冴えるこの時間帯に、難易度の高い問題やスピードを要求する問題を解かせる - タイマーやストップウォッチで問題を解く時間を測り、記録する
自分の成長を見える化し、スピードアップの実感を得られる
模擬問題や過去問題の活用
そろばん検定に慣れるうえでは、主催団体が公表している模擬問題や過去問題が有効です。本番形式の問題を解くことで出題傾向や時間配分を把握できるため、検定当日に落ち着いて対応しやすくなります。
- 過去問題や参考書を定期的に解いて実力を確認
- 苦手な分野をピックアップし、重点的に反復練習
- 本番と同じレイアウトや形式に慣れておく
暗算練習も取り入れる
そろばん学習を続けていると、頭の中で珠を動かすイメージ暗算ができるようになります。暗算力を高めることは、検定のスピード向上につながります。また、計算過程の一部を暗算に頼れるようになると、問題に取り組む効率が上がります。
- 普段の生活に暗算を取り入れる(買い物やおつりの計算など)
- 暗算の検定を実施している団体もあるため、興味があれば挑戦してみる
保護者ができるサポート
ポジティブな声かけ
子どもは失敗よりも成功体験を積むことでモチベーションが上がります。少しでも計算が速くなったり、正解率が上がったりしたら、大げさなくらい褒めてあげましょう。「すごいね」「上手になったね」というポジティブな声かけが、子どものやる気をどんどん引き出します。
練習環境の整備
家の中に集中できるスペースや時間を用意してあげると、学習効率がぐっと上がります。テレビやゲームの誘惑が少ない部屋で、一定の時間だけそろばんに取り組む習慣をつけるとよいでしょう。
- 一日15分〜30分など、短時間でも毎日継続する
- 家事の合間に声をかけてあげるなど、家族が関われる仕組みを作る
検定前の体験や準備
検定前に模擬試験や練習会を実施している教室もあります。実際の試験環境を体験しておくと、子どもも本番に対する不安が減り、落ち着いて臨めるようになります。
- 教室の先生と相談し、模擬試験に参加させる
- 検定当日の持ち物や時間配分を確認し、シミュレーションする
- 検定直前はしっかり休息をとり、体調管理を徹底する
申し込み方法と検定情報の入手先
そろばん検定の申し込みは、一般的に主催団体の公式サイトや教室を通じて行うことが多いです。最近ではオンライン申し込みに対応しているケースも増えているため、手続きが簡単になってきています。
- 公式サイト
検定日程や申し込み方法、合格基準などを確認可能 - 地元のそろばん教室や珠算塾
教室でまとめて検定を行う場合もあるため、費用やスケジュールを聞いておく - オンライン検定(団体によって実施有無は異なる)
自宅から受検できるので、遠方の方やスケジュールが合わない方に便利
2025年時点では、オンライン検定の普及が進んでおり、家にいながら試験を受ける子どもも増えています。ただし、紙での練習とオンライン環境は多少異なる点もあるため、事前にどちらの形式に向いているか検討してみましょう。
よくある質問
Q1. 何歳からそろばん検定を受けられますか?
A. 受検資格は団体によって多少異なりますが、基本的に年齢制限はありません。4〜5歳でも初級の検定を受ける子どもがいます。保護者や指導者と相談しながら、子どもの理解度に合わせて受検するとよいでしょう。
Q2. どのくらい練習すれば合格できますか?
A. 個人差がありますが、初級であれば1日15分〜30分の練習を数カ月続ければ合格圏に入ることが多いです。上級になるほど計算量やスピードが必要になるため、より長期的な学習計画が大切です。
Q3. そろばん検定と暗算検定の違いは何ですか?
A. そろばん検定は主に珠算(そろばんを使った計算)での正確性とスピードを測る試験です。一方、暗算検定は頭の中だけで計算する力を測る試験で、そろばんは使用しません。いずれも同じ団体が実施していることが多く、相互に関連した学習効果が得られます。
まとめ
そろばん検定は、子どもの計算力や暗算力を目に見える形で評価できる貴重な機会です。合格を目指す過程で計算スピードや集中力が磨かれ、自信や学習意欲が高まるのが大きなメリットといえます。
- 基礎固め:指使いと補数計算を徹底
- 段階的目標:小さな合格や達成感を積み重ねる
- 時間を意識:制限時間内に計算できる練習
- 模擬問題活用:本番と同じ形式に慣れておく
- 保護者サポート:集中できる環境づくりと声かけ
こうしたポイントを押さえておけば、そろばん検定の合格はもちろん、子どもの成長や学力向上にも大きく寄与するはずです。お子さまと一緒に楽しく学びながら、ぜひ検定合格を目指してみてください。